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今回はタルト型編です。
100均の型の検証では第5弾となります。
※記事公開後にもう一つ型を見つけたので加筆修正しています。
他の記事はこちら
→①ジェノワーズ型編
→③カヌレ型編
→⑤基本の道具編
タルト型はSeriaとダイソーにあった5種類を使ってみました。
今回使用した型
※価格は全て税抜きです。
①Seria タルトレット型18cm
サイズ:直径18cm 高さ2.5cm
素材:鉄(スズメッキ)
価格:100円
②ダイソー タルト焼型(底取タイプ)18cm
サイズ:直径18cm 高さ2.5cm
素材:鉄(スズメッキ)
価格:300円
③ダイソー フッ素樹脂加工タルト焼型 12cm
サイズ:直径12cm 高さ2cm
素材:炭素鋼・フッ素樹脂
価格:100円
④ダイソー フッ素樹脂加工タルト焼型 27.5cm
サイズ:直径27.5cm 高さ3.5cm
素材:炭素鋼・フッ素樹脂
価格:200円
⑤Seria タルトレット型底取
サイズ:直径12cm 高さ1.8cm
素材:ステンレススチール
価格:100円
始める前の印象としては、大きさの選択肢が少ないです。
1番大きいものは海外市場向けというか、一般家庭では使いづらい大きさだと思うので、実質18cmと12cmの2択になると思います。
※焼き色については(特にサイドは)写真の光加減で実際とは違う感じで写っているものもあるので、目で見た印象によります。
①Seria タルトレット型18cm
底が取れないタイプのタルト型です。
一般的なタルト型に比べると板厚は薄めですが、普通に使う分には簡単には変形しないぐらいの強度はあります。
パートサブレを3mm厚に伸ばしてフォンサージュ・ピケをします。
※フォンサージュ=型に生地を敷き込むこと
ピケ=空気穴を開けること
説明書には「型に油を塗るかペーパーを敷くと良い」と書いてありましたが、このタルト生地は型離れが良いのでバターや油は塗らずにそのまま使っています。
重しを乗せて、焼成します。
160℃で15分→重しを外して15分の合計30分焼きました。
使用したオーブンはPanasonicの家庭用オーブンレンジです。
一回り縮むので、逆さにすると型からは簡単に外せます。
裏面は全体的に焼き色がつきます。
光の加減で写真だと伝わりづらいのですが、サイドの色むらが気になります。タルトのフチと底面の焼き色が濃くてサイドが白めです。
サイドの表面も少し波打ったような凹凸があります。
次はアーモンドクリームを入れて焼いてみます。
フォンサージュ・ピケをした後、アーモンドクリームを入れてならしてからオーブンに入れます。
焼成は160℃で45分です。(途中で反転しています)
これも焼くと一回り縮むので、逆さにして型から外します。
底の焼きむらは気にならない程度です。
空焼きの時と同じく、サイドはフチ以外は焼き色がつきにくく、表面は凹凸感があります。
通常フォンサージュした時に生地と型の間に隙間があるとサイドが凸凹になったりするのですが、この型では2度3度とやってもサイドがシワがよったように凸凹になります。
空焼きもアーモンドクリーム入りも部分的には綺麗に焼けているところもありますが、今回の5つの型の中で1番色むらが大きく、サイドの表面が凸凹なのが目立ちます。
また今回のようなタルトだと逆さまにして取り出すのでも特に不具合はありませんが、フルーツを一緒に焼き込んだり崩れやすいアパレイユを一緒に焼くのには底が取れないのは使いづらいです。
②ダイソー タルト焼型(底取タイプ)18cm
①と同じ大きさで板厚や素材もほぼ同じですが、底が取れるので価格は300円です。
説明書には「鉄製ですのでサビます」と記載がありました。
底が取れる以外に、サイドの波模様の深さや傾斜の角度が違います。
サイドが垂直に近い左が①で、右が今回使う底取れ型の②です。
空焼き。
手順・温度・時間は①と同じ。
底が取れる型は、逆さにしたプリンカップなどの上に置くだけで簡単に型から外せるので、型から出すときに壊れるリスクが少ないです。
裏面の焼き色は綺麗です。
①と違ってサイドの表面に変な凹凸はなく、綺麗に焼けます。
フチの色が濃いめなのは①と同じですが、色が薄い部分との差は①ほどではなく許容範囲かと思います。
型自体のサイドの模様が①より深いので、タルトらしい模様がしっかり出ます。
続いてアーモンドクリーム入りで焼いたものです。
分量・手順等は①と同じです。
底板が外れる型は、底の外周は鉄板が2枚重なっている状態になるので、その部分の火が入りにくくなります。
問題なく焼けますが、中心部分より外周の方が焼き色は少し薄くなります。
サイドの真ん中部分の焼き色が、フチや底に近い部分に比べて少しだけ薄いです。
①ほどではないですが、少し気になります。
①の型で1番気になったサイドのシワのような凹凸が、この型では全くでずに綺麗に焼けました。
焼きむらも①よりは割とマシだと思います。
アーモンドクリームの焼き色がもう少し薄い方が良かったり、サイドももっとしっかり焼き色をつけたい場合は、色がつかない程度に空焼きをしてからアーモンドクリームを詰めて焼くと良いと思います。
③ダイソー フッ素樹脂加工タルト焼型 12cm
ほっておくとサビてしまう①②と違い、お手入れが簡単で使いやすい素材です。
型には何も塗らず、3mm厚の生地でフォンサージュ・ピケをします。
空焼き。
160℃で重しあり12分→重しなし11分の計23分焼きました。
裏面の焼き色は綺麗です。
焼き色のむらは少ないですが、角が少し浮きやすいです。
下の方の模様が少し削れたようになっています。
アーモンドクリーム入り。
160℃で25分焼きました。
(途中で反転しています)
今回はちょっとピケが甘かった部分が浮いてしまいました。
念入りにピケをしていればもう少しマシになるとは思います。
アーモンドクリーム部分とタルト生地部分の色のバランスがよく、焼きむらの点ではこの型が1番良いです。
でもやはり角の部分が浮きやすく、下の方の模様が削れたようになります。
お手入れも楽で作業性の良いサイズなのですが、角の浮きだけが残念でした。
(空焼きは重しを長めに乗せるなどで改善できるかもしれませんが)
④ダイソー フッ素樹脂加工タルト焼型 27.5cm
素材は③と同じですが、底が平らでなく外周に溝があります。
家庭用オーブンの天板にちょうど収まりました。
大きいので価格は200円です。
3mm厚の生地でフォンサージュをします。
慣れていない人がやる場合、生地が大きすぎてかなり難しいと思います。
空焼きのタルトストーンが足りなくて、近くにあった耐熱で重そうなものを使ってカサ増ししました。
160℃で重しあり15分→重しなし18分の合計33分焼きました。
オーブンギリギリの大きさだった割に、そこまで焼きむらはありません。
裏はちょっと色が薄い部分がありましたがまあ許容範囲だと思います。
他の型に比べて側面の傾斜が大きいので、フチだけ過剰に色づくといったことがありません。
予想に反して結構綺麗に焼けました。
あまりに大きくて消費できないので、この型ではアーモンドクリーム入りは作っていません。
ビルトインの大きなオーブンが家にあって、大人数用のタルトを作りたいと思っている、そこそこ技術のある人ならこの型を活かせるかと思いますが、家族が少なくて初心者だったりするとあまりおすすめはできないです。(今回はタルトを作るという前提の話ですが、冷凍パイシートを使うなら敷き込みは簡単だと思います)
⑤Seria タルトレット型12cm
100円で底が取れ、使いやすい大きさです。
フチや模様の形状は18cmのものと似ていますが、材質的に錆びにくいと思います。
他の型と同じく、型には何も塗らずに3mm厚の生地でフォンサージュ・ピケをします。
空焼き。
③と同じく160℃で重しあり12分→重しなし11分の計23分焼きました。
③ほどではないものの、少しだけ角の浮きがあります。
サイドはフチの焼き色が少しだけ濃いものの、全体として見ればまあまあ良い仕上がり。
裏は少しムラはありますが許容範囲だと思います。
アーモンドクリーム入り。
これも③と同じ160℃で25分焼きました。
(途中で反転しています)
かなり念入りなピケをしていますが、ほんの少し浮いた部分と、外周の角が一部白いです。
空焼きの時よりもサイドの色の差が大きく、フチだけ焼き色が濃いめです。
③より角は浮きにくいのですが、側面の焼きムラがあるのでトータルでの評価は③と同じぐらいです。
100円で底が取れ、お手入れも楽なので使いやすいです。
フチだけ色づくという点が残念な点です。
どれが良かったか
ここまで100均の型の焼き上がりをみてきましたが、比較的綺麗に焼けたものでも表面のザラザラ感などはあるので、専門店で売っている型で焼いた仕上がりには劣ります。
でもおすすめをこの中で選ぶとしたら、27.5cmは大きすぎるし底も取れないので、18cm型か12cm型の2択です。
そして18cm型だと値段は高くても②の底が取れる型の方が、値段以外の全ての点で①よりいいです。
さらに12cm型の場合はどちらも残念な点はあるものの、18cm型よりはどちらも仕上がりはいいです。
あえていうなら底の取れる⑤の方が使いやすいかなと思います。
今回はオーブンでタルトを焼くという前提でやってみましたが、オーブンを使わない使い方(砕いたビスケットで土台を作るなど)をしたい場合は、取り出す時に崩れやすいので底が取れる型の方がいいです。
でも底だけに砕いたビスケットを敷き詰めて、その上にムースやババロワを流し込むようなレシピだと、①②の型は水分で錆びるので向いていません。
⑤以外は底が取れなかったり錆びたりするので「タルト生地を敷き込んでオーブンで焼く」という使い方をする人向けなのですが、焼きむらや形を妥協したくない人は、もう少しお金を出して型を選ぶことをおすすめします。
おすすめのタルト型
右は私が普段使っているタルト型(直径16cm)です。
今回の①②は板が薄い分、補強のためフチは折り返して二重になっていますが、この型はもう少し板厚があるのでフチの折り返しはありません。
今回の①②で気になったサイドの焼きむらもほとんどできません。
↓私のものは直径16cmですが直径12〜24cmまであります
この記事ではここまでタルト型を紹介してきたのですが、実はタルトを焼くならタルトリングの方がおすすめです。
どうしてもサイドの模様があるタルトを焼きたいというのでなければ、タルトリング+シルパンで焼く方がフォンサージュも楽だし、断然サクサクに仕上がります。
↓私の使用しているものはMATFERのものです。サイズ色々あります。
↓シルパンはcottaのものを使用しています。これもサイズ色々あります。
タルトリングは底がないので、下からの熱が伝わりやすくしっかり火が入ります。
天板に敷くのはオーブンペーパーなどでもいいのですが、シルパンを強くおすすめします。
シルパンとはメッシュ状のシートです。
メッシュ部分から余分な空気や油が抜けるのでピケをする必要がありません。
タルトだけでなくクッキーを焼くときに使うと仕上がりが全然違います。
100均の型と同様、重しを使って空焼きしています。
直径16cmで160℃重しあり15分→重しを外して10分焼きました。
ピケをしていないにも関わらず、少しの浮きもなく真っ平らに焼けます。
タルト型だと底が油っぽくなることがありますが、シルパンで焼くと余分な油が抜けるので、油っぽさは全然ありません。
フチ・底・サイドの色に差がありません。
100均の型で焼いたタルトと比べると焼き色や表面の感じが全然違うのがわかります。
ちょっと作ってみたい程度なら100均の型でやってみるのもいいですが、同じ生地でも型の違いで仕上がりは結構変わります。
製菓道具店で買うことも検討してみてください。
今回のタルトの生地やフォンサージュはオンラインレッスンで学べます。