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100均の型の検証第三弾です。
(以前の記事はこちら ①ジェノワーズ型編 ②パウンド型・マフィン型編)
カヌレは本来、内側に蜜蝋をコーティングした銅製の型で焼きます。
でも蜜蝋はスーパーなどでは手に入りにくく扱いも面倒なので、最近のレシピだとバターを型に塗るものも多いです。
銅製の型は高価であまり家で作るイメージはなかったのですが、Seriaがシリコンのカヌレ型を作ってからは家で簡単に作れるようになりました。
ダイソーでもカヌレ型が発売されたので、今回はこの2種類の型で検証します。
<今回使用した型>
※価格は全て税抜きです。
①Seria シリコーンモールド カヌレ型 100円
大きさ:φ3.5cm×高さ3.5cm
耐熱温度:-30℃〜230℃
セリアの型はミニカヌレ型でシリコンの厚みはかなり薄め。
②ダイソー シリコーンケーキ型 カヌレ 200円
大きさ:φ5.5cm×高さ4.5cm
耐熱温度:-30℃〜230℃
ダイソーの方は通常のカヌレの大きさです。
シリコンはセリアより分厚いですが、100均ではないシリコンのカヌレ型に比べると薄いです。
<生地の作り方>
(Seria型だと18~19個分/ダイソー型だと7個分)
薄力粉 20g
強力粉 30g
グラニュー糖 112g
卵 50g(Mサイズ1個分)
卵黄 20g(Mサイズ1個分)
ラム酒 10g
無塩バター 25g
牛乳 250g
バニラ 1/2本 ※バニラオイルでも可
①薄力粉・強力粉・グラニュー糖を混ぜ合わせる。
②卵・卵黄・ラム酒を入れて、練りすぎないように混ぜ合わせる。
③溶かしバターを入れて混ぜ合わせる。
④バニラのさやを割いて種を取り出し、牛乳に入れて600Wのレンジで2分加熱する。
⑤③に温めた牛乳を2~3回に分けて入れて混ぜ合わせる。
⑥密着ラップをして、冷蔵庫で一晩以上寝かせる。
⑦底からよく混ぜ、濾す。
↓詳しくは動画で。
①Seria シリコーンモールド カヌレ型
常温に戻したバター(分量外)をハケで内側に塗ります。
生地を底からよく混ぜて均一にしてから、型の8分目まで流します。
今回は型を3つ使用しています。
多くの型で一度に焼いたり、3つでも型を一直線に並べたりして焼くと、熱の伝わりが悪くなり、焼き色がつかなかったり膨らみが変わったりしてうまく焼けません。
予熱したオーブンに入れ、220℃で20分焼いたあと、180℃に下げて30分焼きます。
焼き上がったらすぐに型から外します。
中心の窪みには焼き色がつきませんが、それ以外の部分にはしっかり焼き色がつき、外側はカリッと焼けます。
断面撮るのを忘れましたが、ちゃんと蜂の巣状に焼けています。
Seriaの型を初めて触った時、シリコンが薄すぎて本当に焼けるのか半信半疑でしたが、見た目も綺麗で十分な仕上がりでした。
これで100円なのはすごくコスパがいいです!
ただし、パッケージの裏面の注意書きに「耐熱温度以下でも20分以内で使用してください」と書いてあるので、メーカー推奨外の使い方をしていることになります。
メーカー側としてはパウンド生地などを焼く想定だったのかもしれません。
そもそもカヌレを焼くのに20分じゃ無理なので、この型でカヌレを焼くなら自己責任ということになります。
②ダイソー シリコーンケーキ型 カヌレ
セリアの型と同じく、常温に戻したバター(分量外)をハケで型の内側に塗ります。
生地を底からよく混ぜて均一にし、型の8分目まで流します。
1個あたりの大きさが普段使っている金属製の型と同じだったので、焼き時間と温度は金属製の型で焼くときと同じにしました。
予熱したオーブンに入れ、210℃で30分焼いたあと、天板の奥と手前の向きを入れ替えて190℃で20分焼きます。
焼き上がったらすぐに型から外します。
中心に焼き色がつかないのはセリアの型と同じですが、側面の焼き色もまばらです。
半周ぐらいは焼き色が薄めなので、外側のカリッと感が部分的に違いがあり、金属製の型に比べて少し物足りないです。
断面はちゃんと蜂の巣状に焼けます。
これはセリアの型にも言えるのですが、オーブンの天板が完全に平らではないので、底が水平ではなく全体的に少し傾いた焼き上がりです。
セリアの型より大きいので、ダイソーの方が傾きが目立ちます。
セリアで問題だった加熱時間ですが、ダイソーの注意書きには「60分以上加熱しないでください」と書いてあったので、今回の焼き方では十分規定の範囲内です。
でも見た目やカリッと感はセリアの方が上手に焼けます。
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カヌレの型は本格的なものを買おうとしたら1個2000円ぐらいになるので、手軽に作りたいと思う人にはどちらの型でもちゃんと焼けるのでおすすめです。
ただしカリッと感が少なかったり、使用時間の縛りがあったりと、100均なりの部分もあるので、これで試してやっぱり本格的な型が欲しいとなれば銅型を検討されるのもいいと思います。
以下は余談ですがカヌレ作りについて。
今回の生地の作り方は可能な限り簡単になるように細かい手順は省いてあります。
カヌレの生地を作る注意点としてネット上でよく見る意見
・グルテンが出ないように生地を練らない
・牛乳を一度沸騰させてから60℃ぐらいまで冷まして使う
・生地は一晩以上寝かせる
・型に流す前に生地を常温に戻す
全部ちゃんと理由があってのことなのですが、実体験としてこの中で絶対に守らないといけないのは「生地は一晩以上寝かせる」です。
以前働いていた店ではカヌレを朝一番に焼いていたのですが、朝一番なので生地はキンキンに冷えたままで使っていました。
また、私はそれまでカヌレをその店以外で作ったことがなく、新人が作ることも多かったので、牛乳は温めるけどどこまで温めるかは個人の裁量だし、グルテンとか何も考えずに混ぜているのでおそらく生地作りに関してはかなりアバウトでした。
でもカヌレでロスを出した(売れないレベルの焼き上がり状態)ことはほぼないです。
何度かロスが出たことがありますが、それは新しい型を買い足してまだ使って日が浅い時に、その新しい型で焼いたものでした。
新しい型で焼くと使い込んだ型より焼きムラが出やすかったのですが、日が経つにつれそのロスもほぼなくなりました。
それ以外で焼きのばらつきがあったとしたら、寝かせ時間の違う生地、例えば3日前に仕込んだ生地と昨日仕込んだ生地の浮き具合がちょっと違ったぐらいです。
急に沢山売れた時なんかは夜に急いで仕込みますが、寝かせ時間が足りないのでいつもより浮きは大きくなります。
その店では銅の型に蜜蝋を塗って、コンベクションオーブンで焼いていましたが、家庭用オーブンでいろんな型で焼いてみるようになって思うことは、カヌレの仕上がりの差は型とオーブンによるものがものすごく大きいということです。
現在近所で手軽に手に入る蜜蝋は匂いがキツすぎて使いたくないので、私は基本的に型にはバターを塗っています。
型の素材も何タイプか持っていますが、綺麗に焼けるもの・高確率で底に大きな穴ができるもの・型にくっついて浮きが悪いものと仕上がりは全部違います。
同じ型を使って焼くときでも、オーブンに入れる個数や並べ方で成功するものと失敗するものが出てきます。
家庭用オーブンが業務用オーブンより劣る部分があるのは仕方ないことなので、自分のオーブンにあった型・温度・並べ方などを見つけないとなかなか上手くいきにくいです。
始めは高温で焼いて型の中の生地を一気に沸騰させ、それがある程度収まったら温度を下げて全体的に火を通していくのが基本です。
作ってみて上手くいかなかった場合は、オーブンの中での型を置く位置や個数を調節して何度か試してみてください。
他の100均の製菓道具検証
→①ジェノワーズ型編
→⑤基本の道具編
→⑦タルト型編