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日本の代表的なケーキといえばショートケーキですが、どんな小麦粉を使うかによって、きめ細かさやふわふわ感といった仕上がりが結構変わってきます。
(「薄力粉の銘柄によるジェノワーズの仕上がり比較」記事参照)
オンラインレッスンをやっていると海外にお住まいの方もよく受講してくれるのですが、皆さん一様に「現地の小麦粉ではうまくいかない」とおっしゃいます。
結構前ですがタイのバンコクに行った時に買ってきた小麦粉でスポンジケーキを作ってみました。
その写真が出てきたので、以前のアメリカの小麦粉に引き続き、ご紹介します。
↓以前書いた「アメリカの小麦粉でジェノワーズを焼いてみた」記事
今回使った小麦粉
以前の記事に書いた通り、日本人好みのきめ細かくてふわふわなスポンジを作るには、日本の小麦粉を使わないと難しい場合が多いです。
その点バンコクでは日本をはじめ色々な国の食材が手に入り、理想のスポンジを作りたければ日本から輸入された(日本の製粉会社の)粉を買えばすむ話なので、一部海外在住の方のように「材料のせいでスポンジケーキがうまく焼けない」という状況にはあまりならないと思います。
でも値段やお店への行きやすさなどの問題で、できれば現地の一般的な材料で作りたいという人もいると思うので、今回はタイで一般的と思われる粉を2種類使ってみます。

左:Red Lotus Special Flour
右:Royal Fan Cake Flour
公式サイトによると、タンパク質含有量は、両方とも7.8〜8.8%でした。
日本の粉で作った場合
今回はこの粉でジェノワーズ(共立てスポンジケーキ)とシフォンケーキを作ってみました。
これまでの記事でも紹介した写真ですが、日本の製菓用薄力粉「バイオレット」(タンパク質含有量7.5%)で作るとこんな感じです。
-ジェノワーズ


高さは約5.5cm。全体的にきめは細かく、ふわふわでしっとり感もあります。
ちなみに「バイオレット」は製菓用薄力粉なのですが、特に製菓用ではない「ハート」(タンパク質含有量8.2%)でも約5.3cmの高さが出ます。
-シフォンケーキ

焼き上がりは型のふちちょうどぐらい。柔らかくてふわふわです。

シフォンケーキは別立てなので、ジェノワーズに比べると、きめはそこまで細かくはなく多少不揃いです。
Royal Fan Cake Flour
まずはオレンジと黒のパッケージのRoyal Fan Cake Flourから。
ケーキの絵と、”specially processed to give the finest grain and the tenderest texture in all types of cakes.”という文言があるので、お菓子作り全般向けなのかな?
-ジェノワーズ

高さは1番高いところで約4.9cm。
ジェノワーズは焼き上がったら逆さにして冷ますので表面が平らに近くなります。
が、この粉では真ん中はそれなりに膨らみますが全体的にはあまり浮かないため、実質そんなに高さはないです。
さらにきめが粗いので、ふわふわ感やしっとり感がなく、少し固くてパサつきます。
-シフォンケーキ


ジェノワーズは粉の種類によって仕上がりが大きく変わりますが、シフォンケーキの場合は大抵どんな粉でも(薄力粉でも強力粉でも)それなりにふわふわにできます。
だからこの粉でもちゃんとできるだろうと思っていたのですが、焼き上がりに高さがあまり出ず、断面も少し詰まった感じです。
ただ食べてみると、それなりにちゃんとふわふわで違和感はありません。
バイオレットと比べると劣りますが、シフォンケーキとしてこれを単体で出されたら、大抵の人はふわふわで美味しいシフォンケーキと感じると思います。
Red Lotus Special Flour
もう一つの赤とオレンジのパッケージの方は、蒸し物・クッキー・ケーキの絵と”a specially formulated flour for steamed buns, steamed cakes, cookies, cakes and biscuits.”の記載があります。
目的を限定している割に、蒸し物・クッキー・ケーキ=ほとんどのお菓子なのでは?と思うのですが、Royal Fan Cake Flourより少し用途の幅が狭く設定されているようです。
-ジェノワーズ

高さは約5.2cmなので、日本の一般的な薄力粉と同じぐらいの浮きです。
でもきめの細かさは日本のほうが細かいように思うし、食べた時のふわふわ感やしっとり感は日本のものには及びません。
ただ先ほどのRoyal Fan Cake Flourに比べると、普通に使える範囲だと思いました。
-シフォンケーキ


作業的な違和感は全くなかったのですが、ほんの少しだけ(といっても数ミリレベル)浮きが少なかったです。
ただし食べた感じはふわっふわで日本のものと比べても合格点だと思います。
結果
どちらの粉も、浮き具合・きめの細かさ・しっとり感に日本の粉との差がありました。
Royal Fan Cake Flourの方はスポンジ系には向きません。
クッキーやパイなどには使えると思いますが、私は仕方なく料理で消費しました。
お菓子作りではオールマイティとはいかないです。
Red Lotus Special Flourの方は、同じではないにしろ、そこそこ使えると思います。
どこを目指すのかにもよりますが、日本で作るレベルの仕上がりを目指すなら高くても日本の粉、簡単に手に入る中でそれなりに形にできればいいならRed Lotus Special Flourでしょうか。
今回のジェノワーズ・シフォンケーキの作り方はオンラインレッスン・note・電子書籍でご紹介しています。
オンラインレッスン*ジェノワーズnote どこよりも詳しいスポンジケーキ(ジェノワーズ)の作り方

家にある材料で作れるふわっふわのシフォンケーキ